「縁」とは、どういう意味ですか?
「袖振り合うも多生の縁」という言葉があります。森羅万象が共に生き、自然をコントロールしている法則、それが「縁」です。 目には見えなくても、相互依存的に社会生活を全うする上での大切なルールを現します。 もともと「縁」とは、私たち人間が自ら造り定めたものではなく、大自然の摂理の中で働いている仏の働きを、優しく日々の生活に取り入れた厳正な法則です。 釈尊が「縁起を見るものは法を見る。法を見る者はすなわち仏を見る。」と示されたように、私たちはこれによらなければ一日も満足には生きられないことはもちろん、政治・経済・科学・あらゆる主義・思想の基盤であり、それらすべてを包括して私たちに正しい方向性を示唆してくれている因縁生起の法です。 この世は、この「縁」の力が働く仏道修業の場で、自己の真実の姿を学ぶ場所です。忘れてはならないことは、「縁」というこの仏の働きは「気づき」という行いによって命が与えられることです。行うその時に「縁」の力は生きて働きます。 あなたは仏です。仏の分霊を宿しているからこそ、あなたは存在しています。あなたと仏の絆は、あなたの内部にある仏性を日常生活の中で発見することにより、当然のように生き生きとし、やがて安楽に至ることで実証されます。 仏とは、あなたのすべての体験を創り出す源泉であり、無限の叡智、無限の大慈悲です。我々の理解を超えた存在です。しかし、その働きは宇宙の森羅万象の生命活動「縁」の中に見い出すことができます。